カーボンフットプリント

温室効果ガス
地球は、太陽光を受けて温められています。その一方で、暖められた地表は赤外線という形で、熱を宇宙に放出しています。このバランスが保たれ、地球は一定の気温を保っています。地表から出る赤外線の一部は大気中で二酸化炭素(CO2)やメタンなどのガスにより吸収されます。このガスは、太陽光は吸収せず、波長の長い赤外線をより吸収しやすい性質があるため、温室効果ガス(GHG)と言われています。
地球温暖化
近年、人為的な経済活動でCO2の濃度が上がり、バランスが崩れ、地球の平均気温が上がっています。これが地球温暖化です。温暖化が進むと、単に極地の氷が解け、海水面が上昇するだけでなく、干ばつや豪雨などの異常気象が発生し、生態系の崩壊、食料不足などに繋がります。
カーボンフットプリント
地球温暖化を防ぐために、見えないCO2を「見える化」し、そして削減しなければなりません。CO2排出量の計測と自社の生産工程での削減を「カーボンフットプリント」と言います。フットプリントは足跡という意味です。
LCAによる測定
印刷物に限らず、全ての製品は、原料の調達から廃棄(再生)にわたるまで、様々なライフサイクルがあります。カーボンフットプリントでは、製品のライフサイクルを「原材料調達」、「生産」、「流通」、「使用・維持管理」、「廃棄・リサイクル」の5段階に分け、それぞれの段階ごとにCO2排出量を分析・測定します。これをライフサイクルアセスメント(LCA)と呼んでいます。CO2排出量は、LCA各段階の材料や電気等の使用量にCO2係数を掛けることで算出します。
カーボンフットプリントでの削減
各プロセスや使用原料等からどれぐらいの排出量があるのかを正確に見える化して排出源を把握し、排出量の多い製造方法や原料を見直し(再設計)することで、その製品自体の排出量を削減していきます。測定だけでなく、削減もカーボンフットプリントの重要な目的です。
環境に優しい印刷物
良く、印刷物を作るよりインターネットで配信するほうが環境に優しいと言われます。でも本当にそうでしょうか。インターネットの閲覧には端末が必要です。端末はプラスチックや金属で構成され、製造には多量のCO2を排出し、使用には電力が必要です。一方、印刷物は用紙から構成され、用紙の原料である木材は成長過程でCO2を吸収します。またパソコンと違って、その使用(閲覧)や維持(保管)に電力を一切使用しません。LCAの「使用・維持管理段階」はCO2排出量はゼロです。印刷物は環境負荷の少ない情報媒体と言えます
当社での取組
当社では、2008年より産環協(JEMAI)が行っている経産省からの受託事業である「製品グリーンパフォーマンス高度化推進事業」に参加し、その指導の下、各工程別のCO2 排出量の計測事業を行ってきました。また、経産省の助成事業である「日印産連カーボンフットプリント委員会」にも参加し、印刷業におけるPCRの策定や運用に関わっています。当社ではそれらの情報をもとに、JEMAI のクリティカルレビューを受けた、水なし印刷協会で発行・管理しているCO2 排出量算出ソフト「Printing Goes Green」を使用して、印刷物におけるCO2 排出量の算出を行っています。

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